CHITOSE LABORATORY

Vision and Value我々が追求していること

生物を利用するための二つの考え方

現在、世界中の人々がバイオテクノロジーが生み出す未来に期待していることに疑いの余地はありません。その期待に応えるためには、研究室レベルのバイオテクノロジーが持つ可能性を実用レベルのテクノロジーに成熟させる必要がありますが、そのアプローチには二つの考え方があります。

現在の科学では、生命現象の多くがまだブラックボックスの中にあります。このブラックボックスを完全に解き明かし、人間が生物を完全にコントロールしたシステムを構築しようとするのが現在主流になっている考え方です。もう一つの考え方は、生物が生物であることを受け入れ、全てを人間が理解しないままでも生命の現象を人間の為に利用することができるシステムを作り上げるという考え方です。

現在、生命科学技術の発展の為に投資されている研究資金のほぼ全てが、前者の考え方を実現するシステムの構築に対してなされています。 しかし、現時点で生物を利用した様々な活動(農業、食品、化学、製薬)で実際に大きな経済効果を生んでいるのは後者の考え方で構築されたシステムだけであるという事実にはあまり注意が払われていません。

Vision and Value

生物を生物のまま利用するために

下の図は、トウモロコシの原種と現在のトウモロコシです。
もし、トウモロコシが原種のままだったら、人類の今の繁栄はあったでしょうか。また、現在のトウモロコシに育種した結果、どの遺伝子が変化し代謝系がどのように変化したのか、人間は全てを完全に理解した上で利用しているのでしょうか。もちろん答えは否です。
人類に今の繁栄をもたらした生物の一つであるトウモロコシは、人間が管理している畑の外では絶対に育種できません。トウモロコシ側の視点で考えると、トウモロコシは人間にとって役に立つ生物に形を変えることでより多くの子孫を残すという戦略を選択したと言うことができます。

生物を生物のまま利用するために、我々は生物が生きようとする力、環境に適用しようとする力にもっと謙虚に注目するべきであると考えます。人間が考えた理屈を生物に押し付けるのではなく、生物を生物として受け入れ、自然に対して謙虚に、生物と共に地球環境を維持する世界を作ること。我々はこのことを追求していきます。